2020年6月13日土曜日

これから介護へ向かわなければならない皆様へ(4):介護保険は頼りにならないか

 介護をされる家族の方々へ司馬がお伝えしたいことの4つ目は、ある意味既に「他人に頼れ」と書いた話と重なる部分も多いのですが、「介護保険というのは頼りになるのか?」という部分です。ここは既に介護に携わっている家族にとっては「言わずもがな」という部分もあるかも知れません。

 司馬の経験で言うと、親に認知症などの「介護の必要性」の兆候が現われた時点で、早めに市区町村の介護関係窓口・地域包括支援センターに相談し、介護保険の認定を取って、その認定基準で使える介護サービスは可能な限り使うことを考えた方がいいと思います。
 介護度が低くても介護用品のレンタルや自宅のバリアフリー化などは保険での補助の対象になりますし、介護度が上がってくるようなら介護用のパラマウントベッドや便器椅子のレンタルや、ヘルパーさんやデイサービス等のー利用も補助対象になります。自治体によっては介護タクシー関連の利用支援の助成制度が設けられていることも多いようです。
 ホワイトな企業に勤務されている方であれば、勤務先の福利厚生制度にで族介護支援の制度が整備されていることもありますので、そちらも調べてみることをおすすめします。

 司馬の両親の場合は、どちらも80歳を超えていたため、介護保険の負担割合が1割で済んだのも大きかったとは思います。負担割合が2割になると、それだけで家族の金銭的負担が倍になることも事実です。
 ただ、介護保険の認定を受けてサービスを利用することで、「高額介護(予防)サービス給付」のような制度を設けて介護の負担軽減を図っている自治体も多くあります。そうした制度の存在は自治体のWebサイト等でよく調べてみるのがいいと思います。

 両親の介護をするようになってから、FaceBookの「介護家族のとまり木」というグループを紹介していただき見に行ったのですが、書かれている皆さんのメッセージがあまりにも壮絶でした。そこから見ると、自分のやっている介護は介護と言うには非常に浅くて、楽をしちゃってるんだろうな…という思いがあります。
 同時に感じたのが、介護するお年寄りに対する文句だけでなく、ケアマネや介護施設への不平や不満の多さでした。介護をしている家族というのは非常に消耗し疲弊していて、それが故に不平や不満が出るのも当然だろうと思いますし、実際、司馬自身も介護に直面していた時期には、特に徘徊を繰り返す親父には殺意すら覚えたこともありました。そうした不平不満はとても他人事とは思えないところもあります。

 一方、介護保険というのは「介護される老人のためのもの」というだけではなく、「介護をする家族のためのもの」というのを常々感じていました。そういう点から、介護保険制度自体は決して「頼りにならない」ものとは思っていません。
 ただ、介護家族からの介護保険での各種のサービスに対するニーズと、実際の介護保険でのサービス内容のミスマッチは多々あるように思えますし、そういう実態は社会全体としてもっと認知されるべきだろう…と思います。
 特に、今の介護保険制度は制度自体の複雑さと事務手続きの面倒さは改善の余地があります。他の社会保険・医療保険・障害者保険の制度との連携や、自治体行政も含めたワンストップな対応を作って行く必要があろうとは感じるところです。

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